ふわっと幸せな肌色に
魔法をかける熊野化粧筆つくり

2020年の夏の暑さは、尋常ではありませんでした。拭っても拭っても滴り落ちる汗、お化粧崩れに悩んだ方も多いのではないでしょうか?こんにちは、ゆいツアーデスクのコンシェルジュ・出野上(いでのうえ)です。

新型コロナウィルス感染拡大予防のためのマスクで顔の半分が隠れるとはいえ、きちんとメイクをした日は気分もよくなりますよね。さっと頬紅を指すだけでも元気そうに、幸せそうに見えるのが不思議です。今回は広島県の熊野町から講師をお招きし、メイクの必需品である化粧筆を作る講習会を行いました。

丸形か?バラ形か?

メイクの仕上げにふんわり頬に紅を指すときや、ハンカチやティッシュペーパーで汗を抑え、お化粧がはげた部分にフェイスパウダーをのせるときなど、女性のメイクに欠かせない化粧筆。お手軽な化粧筆もありますが 「ちゃんとしたメイクブラシを使うと仕上がりが違う!」とよく言われます
江戸時代、主に農業で生計を立てていた熊野の人たちは、農閑期に筆や墨を仕入れたり、学んだ筆作りの技術が広がり、熊野の筆作りが脈々と受け継がれました。1975年、経済産業大臣より中国地方で最初に「伝統工芸品」として指定を受けた熊野筆は、その品質の高さから多くの人に認められています。
今回は熊野筆の晃祐堂製造部から、工房で行われている手作り体験で使用している道具や材料を渡邊さんが持ってきてくださいました。
まずはチークブラシかフェイスブラシか、どちらを作るか決めて、それに合った枠を選び、毛はピンク・水色・深緑の3色から選びます。

トントントントン、模様が浮き上がる

選んだ毛束を枠の中に入れ、枠を持って何度も机の上でトントントンと叩きます。最初は違いが分からないものの、トントンと叩くのを繰り返すうちに丸形かバラ形が、浮き上がっていきます。

形がきれいに整ったら根元を糸で巻き、毛を枠から取り出します。さらに、針金で根元を巻いて固定させます。

バリカンがカイカンに?!

そして、毛の長さを測り、余分な毛をカットします。使用する道具ははさみではなくバリカン!バリカンを手にするのは初めてという方が多く、最初はこわごわ触れていた受講者の皆様も徐々に慣れ、刈り終えた頃には「もっとバリカンで刈りたい」とおっしゃるほど。みるみるうちにすっきり刈りこまれていく様子を体感することで、ストレス発散にもなったご様子。

やわらかな肌ざわりの秘密

バリカンが終わった後は金具をはめて、持ち手を取り付けます。
フェイスブラシの出来上がりはころんと丸くミニサボテンのよう。チークブラシは咲きほころぶバラのようで、メイクする楽しさが広がりそうです。

今回用いた化粧筆の原材料は、山羊の毛。晃祐堂の仕入れは天然の毛が多く、良い毛と悪い毛が混じっています。そこから毛先が産毛のようにやわらかい良い毛を選別するため、筆のまとまりがとてもいいのです。「毛先の選別が厳しく、化粧筆として使える毛は30~40%しかありません。熊野筆が高価な理由はそこなんです」と渡邊さん。

最高の材料と厳しい選別、熟練の技。2019年に開催された伊勢志摩サミットで政府から各国首脳へ記念品として贈られた熊野筆は、みなさまの肌に艶を与え、ふんわり幸せな表情に仕上げてくれることでしょう。

ゆい秋号では、晃祐堂にて熊野筆作り体験を含めた
「瀬戸内リゾートと伝統工芸の旅 大人の隠れ家ベラビスタスパ&マリーナ尾道」。

 を発売しております。(GoToトラベル対象商品)詳しくはゆいツアーデスクまでお問い合わせください。

晃祐堂

1978年、広島県熊野市にて創業。熊野筆の伝統を継承しつつ、斬新で充実した機能性のある商品を開発。使うたびに満足できる高品質な商品は、日本国内だけではなく海外にもファンが多い。熊野化粧筆のリーディングカンパニーとして位置づけられている。

リンク:http://www.koyudo.co.jp

真結の旅

私達がつくる“いまだかつてないバス旅”、 それが「真結(ゆい)」であり、風呂敷の結び方である“真結び(まむすび)”から由来したものです。 “本物”の旅を身体と心で感じていただき、そしてその感動をお客様が共有(結びつき)していただける“こだわり”のツアーブランドです。 観光地やお食事、そしてお宿と、“こだわり”だからこその工夫や心づくしを凝らしますが、決して“本物”=“高級”ではなく、質素な中にも“本物”を追求した旅程を、経験豊かなプランナーがご提案いたします。