美しく寒さに負けない植物で彩る
クリスマスハンギングリースつくり

クリスマスや迎春の準備は、着々と進んでいますか?ゆいツアーデスクのコンシェルジュ、出野上(いでのうえ)です。寒い季節、外出先から我が家に帰ると、玄関先のリースが「おかえり」と迎えてくれるようであたたかい気持ちになります。

今回の旅と暮らしを彩る講習会では、2019年6月に開講した「夏の寄せ植えつくり」講習会に続いて、バラクラガーデニングスクール神戸校専任講師の祖開(そかい)さんに教わった、冬のガーデニングのポイントと、クリスマスからお正月にかけての寒さの厳しい季節にも楽しめるリースつくりの様子をお届けします。

冬がガーデニングに与える大きな役割

まず、スライドショーでガーデニングのコツやお手本にしたくなる作品を見ていきます。6月のスライドショーでは、花が咲き誇り、木々の緑が光り輝く蓼科バラクライングリッシュガーデンの景色を見せていただきました。今回は広大な敷地に雪が積もり、背の高い木がすっと立ち並ぶだけの真っ白な景色。緑はどこにも見当たりません。

「木々が落葉して庭を見渡せるようになると、庭の骨格となる植物がどこに配置されているのかを確認できる。それが冬なんです」と祖開さん。バランスよく色とりどりの花を咲かせ、四季折々の風景を楽しむためには、冬の寒さも必要なんですね。

次に、先日バラクラガーデニングスクール神戸校で行われた寄せ植えコンテストの作品をいくつか見せていただきました。最近、ヨーロッパで流行っているのが天井からつりさげたリースに植物を飾る「フライングリース」。もともとは鹿やトナカイに植物を食べられないようにと、高い位置に飾ったのが発祥だそうです。他にも鉢や素焼きの壺、円の形のリース台だけでなく、古びた車輪や自転車の籐のかごに植物を飾るなど、素朴で落ち着いた作品が多数。受講者の方々も、熱心に見入っておられました。

祖開さんイチオシ!冬に強い植物たち

「冬は寒くて、庭の手入れは億劫です」と受講者の方より声があがり、冬の寒さに強い、おすすめの植物を祖開さんに教えてもらいました。

・クレマチス
 冬の装飾といえば、クレマチス。薔薇のように長い期間、花を楽しめます。
 ツル科で縦にも横にも伸び、翌年を考えて日本ではツルをカットする人が多いのですが、
 イングリッシュガーデンではツルを残します。

・アナベル(西洋あじさい)
 関西地方では「咲き終わったら、遅くても8月には切り落としなさい」といわれるあじさい。
 アナベルは白い花が咲いた後、茶色になってもドライフラワーとして楽しめます。
 切り落とさなくても、来年の開花に影響はないそうです。

・葉ぼたん
 お正月イメージの強い葉ぼたんですが、小ぶりのものはクリスマスの装飾にも合います。

・スノードロップ
 雪の中からひょっこり芽を出す寒さに強い植物。生産農家の激減と輸入も少なくなり希少な植物と
 なりました。出会ったタイミングで、是非とも手に入れたい品種です。

・サンザシ
 真っ赤な小さな実をたくさんつけるサンザシ。
 ビタミンと植物繊維が豊富なので、美容効果と腸内環境を整える漢方薬としても有名です。

・ローズヒップ
 飲み物としても人気の薔薇の実。
 トゲがあるものは観賞用、トゲのないものはローズヒップティーになります。

・ヒイラギ
 クリスマスホーリーと呼ばれています。
 鮮やかな赤色でブドウの房のようにたわわに実をつけ、葉の緑色とのコントラストがきれいです。

・クリスマスローズ
 花の少ないクリスマスの時期に咲くレボレスニゲルは、雪のような白い花びらが印象的。
 春先に咲くオリエンタルタレスは、色んな色の花を咲かせます。

他にもバラクラガーデニングスクール神戸校から、寒さに強く、春になってもずっと楽しめるたくさんの植物が届きました。ここから7種の植物を選び、卓上に用意されたバコパ・クリスマスローズ・ビオラの3種と併せて、全部で10種類の植物をリースに使います。

細かいルールより、楽しんでつくるのが大事

リースつくりに取りかかる前に、祖開さんから質問がありました。「今まで、リースつくりの講習会に行かれた方は?」
何人かの手が挙がりました。「今まで『リースは丸く均一に』とか『花がはみ出るのは論外』などと言われたかもしれませんが、ここでのリースつくりは規定なく楽しむのが一番。クリスマスだからと赤と白の花を使うのではなく、好きな色で。丸くきれいな形にこだわらず、はみ出しても垂れ下がってもいいんです」と祖開さん。「ただ、同じ色、同じ形で固めると面白くない。隣に来る植物の色や葉の形が違うと、もっと素敵なものになりますよ」という祖開さんの言葉を聞いて、選んだ植物をどんな風に配置するか、考えながらみなさんの作業が進んでいきます。

はじめてのギャザリング

浮き輪のような形のリース型の底に麻布を敷き、上に薄く土を置きます。そこに10種の植物を入れ込むのですが、「これ、全部入るの?」と誰もが疑問に思うほど。祖開さんの説明通りにポットから植物を出して、根をもみほぐし、どんどん土を落とした後にぎゅっぎゅっと詰めると10種全てが入りました。
「ギャザリングという言葉を聞いたことありますか?これが新しい植え方のギャザリングです」とのこと。寄せ植えといえば、土をさほど落とさず、成長のために植物の間隔を空けるのが一般的ですが、根の処理をした植物をたくさん入れ込むことで、花が咲く春に向けて、どんどんボリュームが増すそうです。切り花のブーケのような華やかさがありながら、成長も楽しめるギャザリングという植え込み方法に、みなさん夢中になりました。

冬も、春も、長くリースを楽しむために

乾燥を防ぎ、リースを立てた時に土がこぼれないよう、表面に水苔をはわせます。「リースを持ち上げて、軽く感じたら水やりを。水を張ったタライなどにそっと置いて、リースの底の部分から水を吸わせてください。吊り下げるリースは鉢植えより空気に触れる面積が多いので、寒波の日は室内へ。でも、室内に長く置くとひょろひょろの弱い植物になるので注意してください。」と冬越しのアドバイスもいただきました。

素敵なリースが出来上がり、記念撮影をした後は、待ちに待ったティータイム。今回はバラクラオリジナル紅茶とバラクラ特製のクリスマスケーキです。クリスマスに向け、毎日少しずつ取り分けて食べるドライフルーツの入った英国式クリスマスケーキ。華やかなリースに美味しいケーキ、一足早いクリスマスに幸せいっぱいのひとときでした。

バラクラガーデニングスクール神戸校(神戸大丸)では、12月20日・21日にバラクライングリッシュガーデン創設者のケイ山田先生と、ガーデニングの本場・イギリスから来られたヘッドガーデナーのアンディーさんによるお正月飾りのレクチャーが行われます。庭づくりの相談もできるそうなので、ご興味のある方はバラクラガーデニングスクール神戸校(078-391-8700)までご連絡ください。

ゆいツアーデスクでは、旅と暮らしを彩る様々な講習会を毎月開催しています。来年もみなさんがわくわくするようないろんな企画を考えています。お好きな講座がございましたら、ぜひご参加ください。

前回の「本格的英国スタイルに学ぶ夏の寄せ植えつくり」レポートはこちら

バラクライングリッシュガーデン

1990年に日本初の本格的英国式庭園として、長野・蓼科高原に開園。敷地約1万㎡の園内に咲き誇る5000種を超える植物は四季折々に表情を変え、ゆったりとした時間と空間を心ゆくまで楽しめます。

リンク:https://barakura.co.jp/

真結の旅

私達がつくる“いまだかつてないバス旅”、 それが「真結(ゆい)」であり、風呂敷の結び方である“真結び(まむすび)”から由来したものです。 “本物”の旅を身体と心で感じていただき、そしてその感動をお客様が共有(結びつき)していただける“こだわり”のツアーブランドです。 観光地やお食事、そしてお宿と、“こだわり”だからこその工夫や心づくしを凝らしますが、決して“本物”=“高級”ではなく、質素な中にも“本物”を追求した旅程を、経験豊かなプランナーがご提案いたします。