新年あけましておめでとうございます。年も明け、穏やかな正月をお過ごしでしょうか。
こんにちは、ゆいツアーデスクで講習会をサポートしている渡邊です。
おめでたいハレの日を盛り上げるモチーフとして欠かせないのが、伝統的な「水引」。今回は、テーブルコーディネーターであり、和包み研究家の淵本優子さんから「真結び(まむすび)」をあしらった祝箸袋と、箸置きや飾りとして楽しめる「梅結び」のつくり方を教わりました。お正月を華やかに迎えよう、と真剣なまなざしで取り組むみなさまの横顔をお伝えします。
「包み」と「結び」
日本ならではの「包む」文化は、贈る相手への想いが込められた奥ゆかしいもの。室町時代には、包む方法によって何が包まれているのかわかる「折形(おりかた)」が武家の礼法として育まれていたのだとか。そんな日本人特有の美意識に、淵本先生は惹かれたそうです。
今回学ぶのは、和紙を使った「包み」と水引を使った「結び」。穢れ(けがれ)から守るために清らかさを意味する白い和紙で包み、ほどけないように水引で結びます。「包み」と「結び」を行う際に大切なのは、雑念をはらうこと。「包み」や「結び」にかける時間も相手への思いやり、真心としてかけがえのない贈り物になるのです。
水引のはじまりと結び方
水引の文化は、飛鳥時代にさかのぼります。遣隋使が、朝廷への献上品に紅白の麻の紐を結んでいたことがはじまりだと言われています。
水引の代表的な結び方は、大きく分けると3つ。一度結ぶとほどけない「真結び」、何度繰り返してもよい慶事に使用するリボン型の「両輪(もろわな)結び」、関西の慶事でよく使用される「あわじ結び」です。今回は、お客様同士、地元の方やお宿、スタッフとの結びつきを大切に考えた上質なバス旅「真結」の由来でもある「真結び」を学びました。
それぞれの「すこし」で折る
水引について学んだ後は、和紙で箸袋を折ります。今回はお正月仕様として、品格を持たせるために厚めにつくります。和紙を折る際、和紙の厚みで紙がずれてしまわないように“すこし”ずらし、“すこし”内側に折るのです。この“すこし”というあいまいな表現が日本人らしく、丁寧につくる気持ちが込められて良いのだとか。自分好みの箸袋になるよう、それぞれが“すこし”を意識して箸袋をつくりました。
シンプルだけど美しい「真結び」をかける
いよいよ、つくった箸袋に赤・白・金の3色の水引で真結びをかけていきます。3パターンの水引から、好みの1本を選択。水引の基本の長さは90cm、ですが今回は半分の長さを使います。
水引をまっすぐピンとかけるには、紙と水引の接触面で水引にしっかりと型が付くように折り目をつけること。「真結び」は簡単に見えますが、シンプルであるほど難しいのです。ひとつひとつの作業を丁寧に行い、どこかで見たことのあるカタチ…豊かな暮らしを提案する「ゆいリビングス」のロゴマークと同じ「真結び」が完成しました。
可憐な「梅」を咲かせるむずかしさ
さらに、赤い水引を用いた「梅結び」を学びます。水引を1本使い、親指大の輪をつくり左手で持ちます。水引の先端を手前から奥へと、まるで編み物をするように、つくった輪にくり返し通して4枚の花びらをつくります。
このあとが、今回の最難関。5枚目の花びらをつくる前に、左手に持った手を上下逆にひっくり返すのですが、その途端にどこがどうなるのかわからなくなってしまうため、淵本さんへの質問が絶えませんでした。
梅結びは、ブローチやヘアゴムにもアレンジできるとのこと。コツをつかんだ方は、水引を1本から3本、5本に増やして梅結びをつくりつつ、手が止まってしまった方には教えてあげるなど、わきあいあいとした場になりました。
あっという間の1時間半。細かい作業が多いので苦戦した方もおられましたが、楽しみながら「包み」と「結び」を学べる講習会となりました。また次の機会には、別の結び方を学べる機会をご用意できたらと思っています。これからもゆいツアーデスクは、お客様同士のご縁、お客様と旅とのご縁など、素敵なご縁を大切に結んでいきます。また、今年も月1回のペースで講習会を企画していきますので、お楽しみに。