金 継 ぎ マ ジ ッ ク

なんでもすぐに買える時代ですが、壊れたものは捨てる、のではなく、直してじっくり長く使うという選択肢があったら素敵ですよね。金継ぎは、壊れた器を美しく修復し大切なものを長く使っていけるため、サステナブルで、SDGsの観点からも注目されています。そのためか、発売日からキャンセル待ちがでる程の大人気‼2部制から急遽3部制で行いました。今回は各地で金継ぎ・漆教室の講師を務める、江藤 雄造先生から教わりました。

老眼鏡をご用意ください

先生の第一声に参加者のみなさん、どんな細かい作業をするのかと少し不安そうに。机の上には材料が置かれます。
割れていたり、ひびが入っている器と欠けている器によって使う材料が違います。
割れている器には、かなり強力な接着剤を使います。

卵をかき混ぜるように1分ぐらい混ぜます。混ぜるうちに若干白っぽくなります。

白っぽくなれば割れた断面に接着剤を付けます。

付けた後、重力で下に下がっていくので10分くらい押さえつけるように持ちます。「口は動かしていいですが、手は動かしてください」と先生。

参加者のみなさんがご用意した器はいろんなものがありました。接着が難しそうな急須も・・・

この通り。見事に接着。

複雑に欠けた漆器のお椀も・・・

この通り、見事に元通り。

欠けた器には、エポキシ樹脂とよばれる粘土のようなものを使います。白とグレーの2つを白くなるまで混ざあわせこねます。すぐに硬くなってしますので時間との勝負です。欠けた部分に少しずつ、なすり込むように、ぷっくらするくらいまで盛りつけていきます。

固まったら、カッターで余分な部分を剝ぎ取ります。薄く薄く、器に合うように。

鉛筆を削るように、薄く、薄く、スライスします。

器に合うようになれば、ペーパーを使って細かく削っていきます。器にペーパーが当たらないように。

漆の登場

エポキシ樹脂が固まれば、漆を塗っていきます。外淵から、ぬり絵のように漆を伸ばしていきます。漆は手に付くと24時間後にかぶれてくるので扱いに気を付けながら・・・参加者の皆さん、つい息をとめてしまうわと、丁寧に塗り上げます。

大 変 身

漆が乾いた後に使うのが今回の一番の見ものとなる金泊です。

今回、先生は器に合わせてつかえるようにと銀泊もお持ちいただきました。

漆を塗った部分に金泊を贅沢につけていきます。息をのむ場面でした。出来上がった器は、このまま金箔とともに食事を楽しんでくださいと、参加者の皆さん大喜びでした。

参加者の一部の作品です。左は金箔を、右は金箔と銀箔を合わせプラチナに。贅沢ですね。

徳利も、生まれ変わりました。

こちらの作品はなんと、ガラスです。ガラスも金継ぎできます。金よりも銀の方が合いますねと、銀箔をつかいました。

複雑に割れてしまった、急須も、より豪華に生まれ変わりました。

壊れたら、すぐ捨てるのではなく、自分の大切な器を修復してまた使えるようにしたいなと思いました。

江藤 雄造

1982年兵庫県姫路市生まれ。学生の頃から家業を手伝い、重要文化財の修復・個展などを行いながら2013年香川漆芸研究所研究院を卒業。2014年日本伝統工芸近畿展「新人奨励賞」、兵庫工芸展「大賞」など受賞。各地で金継ぎ・漆教室の講師を務める。2018年「江藤漆美術工芸」「Urushi Amuse」設立。

リンク:https://www.yuzohetoh.com/

真結の旅

私達がつくる“いまだかつてないバス旅”、 それが「真結(ゆい)」であり、風呂敷の結び方である“真結び(まむすび)”から由来したものです。 “本物”の旅を身体と心で感じていただき、そしてその感動をお客様が共有(結びつき)していただける“こだわり”のツアーブランドです。 観光地やお食事、そしてお宿と、“こだわり”だからこその工夫や心づくしを凝らしますが、決して“本物”=“高級”ではなく、質素な中にも“本物”を追求した旅程を、経験豊かなプランナーがご提案いたします。