まちを行き交う人々の装いや街路樹の彩りに、冬の訪れを感じるようになりました。こんにちは。ゆいツアーデスクコンシェルジュの出野上(いでのうえ)です。
9月某日、ゆいクラブ会員様限定の、『農家レストラン且緩々で健康ビュッフェとハンドクリーム作り体験』ツアーに同行しました。体にいいハーブのお話や、食事から健康を見直す貴重なお話し、オリジナルハンドクリーム作り体験会のもようをお届けいたします。
「ゆいプリマ」2台のランデブー
今回は、多数のお申込みと農家レストラン且緩々(しゃかんかん)さんのご厚意により、「真結」専用車両ゆいプリマ2台に乗車しての旅路となりました。ひとつのツアーに複数のゆいプリマが出動するのはめずらしいうえ、2台並んで駐車している姿はとても美しいので、つい写真を撮ってしまいます。車内がオレンジ基調で暖かい雰囲気の1号車と、真っ白で広く感じる3号車。初秋の播磨路に、ゆいプリマ・ブラザーズ雄姿が映えます。
雪彦山のふもとに、薬草と食物の宝庫が
神戸からおよそ2時間、兵庫県姫路市夢前(ゆめさき)町に、旧山之内幼稚園の園舎をリニューアルして誕生した農家レストラン「且緩々(しゃかんかん)」があります。背後には、雪彦山(せっぴこさん)と清らかな夢前川が。ここで育つハーブ、特にカモミールは日本一の収穫量を誇ります。福岡館長は「自然と人」「人と人」との関わりを考え、疲れた人が健康に戻るための施設を建てたい!とハーブ栽培だけでなく、農家レストランも開店したのだとか。おいしいお食事の前に、福岡館長から「健康は食が最も大切」をテーマに、お話しいただきました。
食で、病気の予防と治療を
姫路市の北部、夢前町の8つある集落のうち3つは、3年後に消滅する…といわれています。ご高齢の方が多く、通院しようにも10キロ以上移動しなければ病院がありません。福岡館長は、病気の予防と治療が大事だと考え、分子栄養学を研究。食生活にハーブを摂り入れることで毒素を排出し、病気の一歩手前である未病の状態から健康体に戻せる、というひとつの成果にたどり着いたそうです。
どのハーブが体にいいか?研究した結果、分かったのは共存の原理。「バラの栽培は虫と病気のオンパレードで、育てるのに四苦八苦するのは皆さんもご経験があるでしょう。一度、バラだけでなくバラの近くに別の植物も育ててみてください」と福岡館長。
福岡館長の実験によると、バラの横にニラを植えるとニラ10株中5株に根が付き、花が咲きました。また、にんにくを植えると、バラの香りが強くなるそうです。ネギにもバラの植物病を抑える力があるといわれています。
他にも、トマトと共にハーブのバジルを植えると、トマトは甘く、バジルの成長が早くなるなど、環境・土地・風土以外にも、他の植物がもたらす刺激による共存の原理から、近くに植えたもの同士が互いの成長を促進し、有効成分の力を高める働きをすることが判明。ハーブの力に着目し、食から病を防ぎましょうという講演に参加者の皆様は熱心に聞き入り、終了後は質問が飛び交いました。
メニューは地元産の新鮮野菜を中心に
お待ちかねのランチは、どんな症状の人が食べればいいか、お料理の1つ1つに説明文が添えられたビュッフェスタイル。摘みたての野菜をその場で揚げて天ぷらにするなど、野菜メインのメニューであるにも関わらず、分厚いお肉を食べたように満腹に。「野菜を生で食べると栄養分が吸収されにくいので、細かく切り刻みスープとして煮出しています。ウイルスに対する防御本能を引き出すフィトケミカルと呼ばれるお野菜を使っています」と福岡館長。食後のお楽しみ、スイーツも何種類も用意されていて、大満足のひとときでした。
まるで実験?オリジナルハンドクリーム作り
食後は、別の教室へ。机の上には、ビーカーにコンロ、薬液のようなものが入った瓶。実験が始まりそうな雰囲気に、少し緊張がただよいます。
6月に開催された、ゆい旅と暮らしを彩る講習会では、オリジナルハーブティーとハーブソルトを作成。今回は、これからの季節に手放せないハンドクリーム作りに挑戦しました。
ビーカーに入ったシアバターとみつろうをコンロの上でゆっくり溶かし、透明になったら火からおろして、ハーブのエッセンスを6滴。やけど・手荒れ・虫刺されに効果があるラベンダーか、傷に作用して感染症や水虫・ニキビなどに効果をもたらずティートリー。香りを確かめながらエッセンスを選び、加えます。
容器に入れ、しばらくすると固まって、ハンドクリームの出来上がり。ご自分で作ったハンドクリームを大切にカバンにしまった後は、スタッフ全員に見送られながら且緩々を後にしました。
日本の原風景、奥播磨かかしの里
次は安富(やすとみ)町へ向かいます。およそ1時間で到着し、バスから降りると庭先や公園など、いたるところに人影が。中には、芸能人に似た見覚えのある顔も。近くの集会所をのぞくと、参観日のようなにぎわいでした。けれど、にぎやかな声は聞こえません。机に座る子どもたちも、教壇に立つ先生も、見守る村の人々も…その全てが「かかし」だったのです。
これらのかかしを作った安富町関(せき)地区出身の人形作家、岡上さんから、かかしの里についてのお話をうかがいました。
「ここ関地区も夢前町と同じく過疎の町。ぽつんぽつんとある民家34~35軒のうち実際に人が住んでいるのは9軒。住民は14人しかいません。しかも、ほとんどが80歳以上です。限界集落に町から少しでも人が来てほしい、にぎわってほしい…」と2011年からかかしつくりを始めたという岡上さん。これまでに制作したかかしは、130体。生きているような躍動感、表情もそれぞれ違うかかしの存在を手がかりに、にぎやかだった頃の里山の風景を想像しながら、かかしの里を散策しました。
ゆいクラブでは、ゆいクラブ会員様同士の交流を深める旅やイベントの開催を今後も開催予定しています。最新情報はゆいクラブ会員にお送りしている「ゆいだより」に記載されることが多いので、毎号必ず、チェックしてみてくださいね。
<ツアーの行程>
「農家レストラン且緩々(しゃかんかん)で健康ビュッフェとハンドクリーム作り体験」
◎2020年09月30日(水)
◎且緩々(健康に関するお話と採れたて地元野菜のビュッフェ、オリジナルハンドクリーム作り)-奥播磨かかしの里