台風19号による被害を受けられた方々に、心よりお見舞い申し上げます。
こんにちは、ゆいツアーデスクコンシェルジュの出野上です。朝夕ぐっと冷え込むようになり、秋の訪れを感じます。今回の旅と暮らしを彩る講習会では、秋にぴったりの果物や木の実、山野草をふんだんに用いたリースを作りました。2019年6月に開催した「紫陽花のホースシューリースつくり」の講師であるフラワーデザイナーの山内和子先生に教わりながら、ケーキのような可愛らしいリースが完成していく様子をお伝えします。
ドライフラワーに命を吹き込む
山内先生が用意してくださったのは、秋ならではの様々な素材。テーブルに材料を広げて1つ1つ確認しながら、リースつくりの下準備に必要なワイヤリングの方法を教わります。
1つめは独特な香りが消化を促進し、虫除け効果も高いというシナモン。シナモンスティッ1本を3等分し、そのうちの2つに細いワイヤーを巻きつけます。上から見えるワイヤー部分は、ナチュラルカラーのリボンで見えないように。スティックは1人に2本ずつ、これを合計3個作ります。
2つめは「棉吹く(わたふく)」が秋の季語になっているコットン。白くふわふわのコットンは、ぬくもりを感じます。コットンやその綿柄(わたがら)は表面に切れ目があるので、切れ目にそってワイヤーを渡し、下の方で巻きつけてワイヤリングを行います。
松ぼっくりのようなアンダーバームはイガイガの側面にワイヤーを通し、枝があるものは枝分かれしたところにワイヤーをひっかけてワイヤリングします。
プラチナ加工をほどこし、メタリックな色合いになったハスは、花托(かたく)のくぼみ部分にワイヤーを巻きます。ボタンみたいな形のユーカリは、溝のようなところにワイヤーをひっかけて。和名では百日草と呼ばれるジニアは、ドライフラワーでありながらやわらかさが残っているので、茎側から花の表面にワイヤーを貫通させます。上に出てきたワイヤーの先端を釣り針状に折り曲げたらワイヤーをそっと引き下ろし、ワイヤーが表面から見えないようにします。
花や木の実が多様な分、ワイヤーを通す方法もそれぞれ異なるため、先生に確認を取りながらワイヤーで芯を作る作業を進めていきます。一つ一つ手間はかかりますが、ワイヤリングをすることによって、リースの土台となるオアシスに挿しても花の形状が潰れることなく、表情を生き生きと保つため、ドライフラワーが生花のように見えてくるから不思議です。
オレンジとグリーンオレンジは、半月状にカット。大きな白い花が豪華なコンパクターは茎がしっかりしているので、ワイヤリングしなくてもオアシスに直接挿すことができます。
まるでケーキ?!リースの盛り付け
細かいワイヤリング作業が終わると、楽しい時間に。いよいよ、リースにセットされたオアシスに挿します。
丸型のリースをドーム状にこんもりと仕上げていくために、まず背が高くて花の面積が大きいジニアやコンパクターを円の中心にレイアウトします。
次にコットンや綿柄を添えます。できるだけ同じ種類、色、形が隣り合わせにならないよう配置します。
オアシスの表面が見えないように、真ん中に配置するものは上から、円の外側に近づくにつれ斜めに挿していきます。リースを横から眺めて真ん中から端に向かってどんどん高さが低くなっているか、土台となるオアシスがきちんと隠れているか、チェックしながら挿していきます。
あまりに小さな材料はボンドで接着します。
バランスを見てオレンジやシナモンを置きます。色みや質感に幅が広がりました。
最後に茶色かベージュのどちらかを色のリボンを選び、飾ります。ただリボンを結ぶのではなくて、ワイヤリングされ立体的になったリボンをプラスすることで華やかさが増しました。
見るたびに心が豊かになるリース
実りの秋が詰まった、いろんな種類の木の実や花。材料はお一人ひとり様々で、仕上がりは全く違いますが、みなさんのリースに共通しているのはあたたかさと豊かさ。手間ひまをかけた、丁寧さが伝わる作品は秋の実りだけではなく、心の余裕や豊潤さを感じさせるものとなりました。
ゆいツアーデスクでは旅と暮らしを彩る講習会を毎月開催しています。ぜひ、ご参加ください。