暦のうえでは立秋を過ぎ、秋が少しずつ近づいているように感じられます。こんにちは、ゆいツアーデスクコンシェルジュの大角です。
このたび、日本三大祭りの一つ、「真結」(ゆい)の旅の取材として、祇園祭に行ってまいりました。祇園祭の見どころである山や鉾をただ鑑賞するだけでなく、テレビ出演や新聞記事の執筆、NHKや朝日カルチャーの講師としても活躍中の歴史ライター・薄雲先生に解説してもらいながらの特別な時間。旬の鱧会席と祇園祭、夏の京都が満喫できる旅の様子をお届けします。
アレンジできるのが、「真結」の醍醐味
当日は、兵庫・明石と神戸・三宮の2か所からバスにご乗車いただくルート。特に渋滞もなく、予定より早く現地へ到着してしまうことになり、一番暑い時間帯の祇園祭見学を避けるためにと、アテンダントから、予定にはなかった「おたべ本館」に立ち寄る提案がありました。「おたべ本館」は、京都みやげを購入したり、ひと休みもできる施設です。日中、祇園祭を見学しながらおみやげを選ぶのは大変なので、先にゆっくりとお買い物ができるよう、旅をアレンジさせていただきました。人気のグリーンティーでのどをうるおしていただいた後は、「木乃婦」(きのぶ)へと向かいます。
最高の京料理と心づくしのおもてなし、「木乃婦」で鱧会席を
薄雲先生と合流し、一緒に食事を楽しみながら、事前に祇園祭の歴史や見どころを教わって知識を深めることができるのは、この旅の醍醐味のひとつ。
70年の歴史を持つ「木乃婦」の一室、「きり」の部屋には季節を感じる花が活けられていて、随所におもてなしの心が感じられます。さらに「木乃婦」からしか見ることのできない風景として、部屋の窓からは菅原道真公が生まれた場所である菅大臣神社の裏側が。お楽しみの鱧会席では、厳選された鱧だけではなく、天然の鮎など新鮮な食材を使用した旬の味覚を10品、心ゆくまでご賞味いただきました。
見る前に学ぶ、後祭の魅力
先祭(さきまつり)は大変混雑するため、なかなかゆっくりとは見ることができません。山や鉾を間近で堪能できるのは、後祭(あとまつり)ならでは。それだけでなく、町会所では、ご神体や豪華な懸装品の数々を公開する「会所飾り」が行われます。山鉾巡行で見るのは難しいご神体を近くで鑑賞することができるのは今だけ。そして、10基ある後祭の山と鉾それぞれに、ご神体が祀られ、ご利益が異なるそうです。参加者のみなさんにはぜひ見たい山や鉾を検討していただき、薄雲先生に見学コースを企画してもらいました。
祇園祭のあれこれを知るにつれ、ますます胸が高鳴ります。祇園祭のうちわを手に、薄雲先生との記念撮影を終えた後は、いよいよ祇園祭の見学へ。
山と鉾に登る、またとない体験を
「木乃婦」を出発して少し歩いたところにあるのが、復活の山、縁起のいい山と言われる「大船鉾(おおふねほこ)」。船の先端には、2018年のモチーフである木製の龍があしらわれています。今しか登ることができない貴重な体験の後は、鉾の骨組みを見学。釘を一切使わない「縄かがり」と呼ばれる組み方には、すべて神事にちなんだ「13579」などの奇数を使用。海老、鶴、亀など縁起のいい動物で結び目を作るのだそうです。
続いて見学したのは「南観音山(みなみかんのんやま)」。緞通(だんつう)など装飾が豪華絢爛な「南観音山」の一番の見どころは、ご神体である楊柳観音像(ようりょうかんのんぞう)を間近で拝むことができるところ。またとない機会に参加者のみなさんもご満足の様子。そして薄雲先生から、緞通には、子どもが描かれた唐子と呼ばれる模様や、唐草やつたなど生命力が強く、永遠に生い茂る縁起のいい柄が描かれていることを教わりました。
この時期は、各山鉾町の町屋では格子をはずし、通りから見えるようにして家宝の屏風や道具を飾るのだそうで、お宝のお披露目会のよう。めったに見られないお宝に出会えるまたとない機会だということで、山鉾と同時に人気が高いといいます。
まるで町家の美術館、「紫織庵」
この旅では、祇園祭の見学途中に休息を取っていただけるよう、京町家「紫織庵(しおりあん)」を借りています。ここで暮らすご主人から「紫織庵」にまつわるエピソードをお聞きしたところ、なんと国会議事堂の建築に携わった建築士が建てた民家で、その建築士の手による民家は「紫織庵」を含めてたった2軒しかないという事実に、感動もひとしお。また、飾られている「洛中洛外図」屏風は、「紫織庵」が寄贈した美術館から祇園祭りが行われる約1ヵ月間だけ戻ってくるものなのだそう。お話を聞いたのち、館内をゆっくりご見学いただき、残りの山鉾見学へ再び出発。今回は、全部で7基の山と鉾をご覧いただきました。
その土地土地の銘菓を味わう、ティータイム。
祇園祭の見学が終わると、「またぜひ遊びに来てくださいね」と大きく手を振る薄雲先生との別れを惜しみながら、帰路に。
「真結」の旅では、訪れた地域の銘菓などをお出しするバス車内でのティータイムが人気です。この日は「ちご餅」。甘く炊いた白味噌を求肥で包み、氷餅をまぶして竹串にさし、3本を1包みにした祇園祭に伝わる銘菓とお好きなお飲み物で、旅の余韻を味わっていただきました。
「真結」の旅では、個人ではなかなか行けないところやテーマを持ったこだわりの旅をご提案しています。これからも時折、みなさまとご一緒して、旅の様子や参加者の方々のリアルな声をお届けしたいと思います。
お客様の声
■祇園祭には初めて訪れました。真結の旅は、すべていいですよ。日帰りしかできないので、日帰りツアーがもう少しあるとうれしいです。ふだんは行けないところや、ランチタイムには伝統のある老舗に行きたいです。(金尾様)
■想像していたより暑くなくて、よかったです。鉾にものぼれて、ご神体を間近で拝むことができ、お料理もおいしかったです。真結の旅はゆったりしていて、豊かな気持ちになれますし、アテンダントさんのおもてなしで気持ちよく過ごせるのが好きなところ。あまり遠いところはしんどいので、個人では行きにくい場所へ日帰りで行けるとうれしいです。(辻井様)
<ツアーの行程>
「京料理「木乃婦」おもてなし鱧会席と京都案内人と巡る京都祇園山鉾鑑賞」ツアー
◎2018年7月23日(月)
◎京都銘菓「おたべ本館」でお買い物と休憩→木乃婦で鱧会席のご昼食…(徒歩)…薄雲先生による山鉾案内と鉾登頂